プロフィール
キッチンにしまちは、
毎日の食事作りを助け合う
“まちの共同台所”を目指しています。
主宰:山崎 雅子 調理師
1966年大阪生まれ。長年の多忙な会社員生活の中で食の大切さを痛感し、日常の食事作りを仕事にしようと2005年、調理員に転身。「食は治療の一環」とするクリニックで「重ね煮」を知り、野菜そのものが持つ豊かな味わいに感動する。同クリニックの給食調理員を経て野菜調理の研究をさらに深め、NHKカルチャーなどで料理教室の講師を務める。2016年、京都二条に「キッチンにしまち」をオープン。料理を気楽に無理なく続けることを第一に、毎日の食事作りを助け合う「まちの共同台所」を目指して活動中。ゴミ削減や省エネにもつなげながら、蒸し煮・重ね煮の料理教室やパック販売のほか、定期的にマーケットを開催している。
活動のベースは、人によし、野菜によし、環境によしの三方よしのシンプル調理「野菜の蒸し煮、重ね煮」です。
レシピを知る
*著書「野菜の蒸し煮、重ね煮で作る毎日のおかず」
地湧社より2022年10月26日発売
A5判104ページ
お買い物
*野菜たっぷりお弁当など
月いちマーケット
*蒸し煮、重ね煮パック販売
ご近所の楽天堂さんにて販売中。
個別のご予約も承ります。
電話0753668570またはこちらからお問い合わせください。
キッチンにしまちができるまで
重ね煮の給食からスタート
社会に出て16年あまり、ビール会社に勤めていました。外食の機会が多く、一人暮らしも始めたので、食生活が不規則になり、特に野菜が不足しがちでした。
30代に入った頃から、病気まではいかないけれど、体が重い、元気が出ない感じが続き、食生活の大切さを痛感。日常の食にかかわる仕事がしたいと考えるようになり、ご縁があって2005年から佐賀県のクリニックで給食調理員として働くことになりました。治療の一環として、食事を大切にしているところで、野菜調理のベースが「重ね煮」。野菜そのものの味が濃いのに驚き、味つけしなくても、野菜はもともとこんなにおいしいんだと目からウロコでした。それから毎日、朝昼晩、重ね煮で食事を作る日々を過ごします。
切ることを大切に
とはいえ、全くの素人だったので(やる気のみで採用)、はじめは全然できずに大ピンチ。。。まずは、包丁を使えるようにならなければと、電話帳で見つけた懐石料理の先生に頼み込んで、切り方だけを特訓してもらうことに。姿勢や持ち方、動作の基本を教わり、日々職場で繰り返しているうちにだんだん慣れて、なんとか乗り切れました。
繰り返し言われたことは、「早く切ろうとしないこと。急いでも、そう何分も変わらないですよ。慣れれば勝手に早くなるので、野菜の細胞をこわさないように、包丁をすべらせることだけ考えて切りましょう。」
ここで教わったことが、その後もずっと役に立っていて、今、教室でお伝えしていることの重要な柱になっています。
切るを大切に
どんどんシンプルに
クリニックで2年をすごした後、地元関西に戻って重ね煮教室のスタッフとして働き、その後自分でも教室をするようになりました。そこで、野菜の持ち味を活かすということを自分なりに再度考えてみました。
大きく変わったのは、野菜を重ねる数です。初めは、種類が多いほうが良いと思っていたのですが、「材料をそろえるのが大変」という声をいただいたことをきっかけに、減らしてみることに。すると、材料が少ないからこその良さがあることに気がつきました。2~3 種類だと、それぞれの持ち味を保ちつつ、いい具合に味がなじみます。さらに、野菜ひとつの蒸し煮では、その野菜独自の味わいを堪能できて、重ね煮とはまた違った良さが出ます。しかも、作るのも、材料を揃えるのも作るのも、断然楽!
これなら、会社員時代の自分でも、続けられると思いました。私は、素材そのもののシンプルな味わいが好きで、なるべく手をかけずに作りたい派なので、レシピを考える時は、必要最小限の材料で、手軽に作れることを第一に考えています。
もとお豆腐屋さんを改装
2016年の立春から、京都二条でキッチンにしまちをスタートしました。
丸太町七本松の交差点から少し南で、七本松通り沿いです。もともとお豆腐屋さんだった家を改装しました。「自分でできるところは参加OK!」という建築屋さんだったので、壁塗りや、格子や梁の塗装はDIYで。道具を借り、養生シートを貼る、珪藻土を練る、コテを使って塗る、、、と全てが初めての体験でした。ほんとにできるんだろうか、、、という不安もよぎりつつ、友達にも手伝ってもらって何とか完成。プロでは出せない、なかなかに味わいのある壁になりました。(こんなに家の中を隅々まで見たことはありません。)
もとお豆腐屋さんから、ガス炊飯器やコンロ、エアコン、タンス、お嫁入り道具の長もちなど、いろいろ譲っていただきました。大事に住んでおられた家なので、これからもしっかり守っていきます。
ささやかながら、毎日の食事作りを助け合う「まちの共同台所」のような場所になるよう、活動を続けていきたいと思います。